50代以上の9割以上が老後に「不安あり」。最も不安に感じているのは自身の健康
「人生100年時代」という言葉が頻繁にテレビや新聞で使われている。医学の進歩や健康に対する取り組みの活発化から、平均寿命に加えて健康的に活動できる健康寿命も伸びている。そんな中、長くなる老後の過ごし方に注目が集まってきている。そんな中、チューリッヒ生命が行った調査「シニア世代のワークライフバランスに関する調査」の結果が興味深い。
この調査は、2018年9月に全国の50~79歳の男女1,000人(50代男女:各167人、60代男女:各167人、70代男女:各166人)を対象に、インターネットリサーチしたもので、シニア層の仕事に対する取り組みや老後の不安などについて聞いている。
最初は現在働いている人に、仕事とプライベートの両立が聞いたところ、「とても感じている」と「まあまあ感じている」を合わせると、全体で65.9%の人が、仕事とプライベートが両立できていると感じていることが分かった。男女を比較しても大きな差は見られなかった。
『あなたは現在、仕事とプライベートの両立ができていると感じますか?』(択一回答)
※チューリッヒ生命調べ
また、仕事に対してどのように感じているのかも聞いている。回答が多かった上位3項目は、いずれも前向きな内容であった。男女で比較すると、全体で7位の「人間関係を形成するのがつらい」以外、全ての項目で、男性のポイントが女性を上回った。総じて、シニアは仕事について前向きに捉えている人が多いことがうかがえる。
『現在、仕事に対してどのように感じていますか?』(複数回答)
※チューリッヒ生命調べ
今度はプライベートな時間に対して、どう感じているかを質問している。最も回答者が多かったのは「プライベートの時間は充実している」(39.0%)。比較的プライベートな時間があり、充実している人が多いことが分かった。男女で差が大きかったのが、「プライベートな時間はあるが家事などに追われている」で、男性が11.6%なのに対し、女性は31.7%と20ポイント以上も差がついた。シニア世代は、家事を主に女性がしている家庭が多いことが想像できる。比較的時間に余裕のあるシニア世代の男性だからこそ、積極的に家事をして夫婦で協力できるとよいかも知れない。
『あなたは、現在プライベートの時間に対してどのように感じていますか?』(複数回答)
※チューリッヒ生命調べ
プライベートな時間は存分に楽しみたいもの。どのように過ごすのが楽しいのかを聞くと、男女ともに最も多かったのは「趣味をして過ごす」であった。2番目以降は男女で大きな意識差が見られた。男性は「配偶者/パートナーと過ごす」と回答した人が女性を上回ったが、女性は「家族・友人・ペットと過ごす」と回答した人が男性より多い結果となった。男性は老後をパートナーとゆっくり過ごしたいと考えているのに対し、女性は幅広い人間関係や時間をエンジョイしたいという気持ちが強いようだ。
『あなたは、プライベートの時間をどのように過ごす時が楽しいですか?』(複数回答)
※チューリッヒ生命調べ
誰にでも老後の不安はある。具体的に何について不安を感じているのか質問している。全体で「不安はない」と答えたのは7.4%しかおらず、それ以外の92.6%、つまり9割以上の人が、老後に何らかの不安を感じていた。「人生100年時代」と言われる中、長寿命化に伴い、長い老後に対しての不安も大きくなっているようだ。
回答が多かった項目は、トップが「自身の健康や病気」(73.2%)で全体の7割以上が選んでいる。2番目は同率で「家族の健康や病気」と「収入・家計」(53.5%)で、ともに全体で5割を超えた。また、別の設問で『現在、幸福を感じているか』と聞いており、その結果と掛け合わせ、「幸福を感じている」人と「幸福を感じていない」人で、各項目を比べている。
大きな差が見られたのは「収入・家計」で、幸福を感じていない人が74.6%なのに対し、現在、幸福を感じている人47.0%となり、27.6ポイントも開きがあった。このことから、いかに経済的な準備が大切であるかが分かる。
『あなたが老後不安に感じていることをお答えください。』(複数回答)
※チューリッヒ生命調べ
9割以上のシニア世代が老後に不安を感じていることが分かったが、その不安について対策をしているのか聞いている。トップ3は下記表の通りだが、「特に対策はしていない」との回答も24.0%あった。年代別に見ると、特に50代では男女ともに「特に対策はしていない」と回答した人の割合が多く、運動や食事面で対策をしている人の割合も70代と比較して少なくなった。
『老後の不安について、行っている対策は?』(複数回答)
※チューリッヒ生命調べ
葬儀にかかる費用について、きちんと分かっている人は多くないのではないでしょうか。『葬儀費用にどの程度必要だと思いますか?』と質問したところ、回答の平均は125.5万円であった。一般財団法人 日本消費者協会「2017年葬儀についてのアンケート調査報告書」によれば、195万円程度かかるという。老後のお金について不安に感じている人も多い中で、葬儀費の認識が実際にかかる費用に比べて低いことから、葬儀費も含めた計画的な資産形成をすることが重要かも知れない。
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