人生100年時代といわれている昨今、若者には将来に向けた資産形成が大きな課題となっている。そんな中、KDDIは全国の20～39歳の有職男女1,000名（性年代別に均等割付）を対象に実施した「ワカモノの資産運用に関する調査2018」の結果を発表した。なお、調査期間は2018年6月、方法はインターネット調査となる。
なお、レポートでは大きく「ワカモノの資産運用に関する意識」「ワカモノの投資に関する意識」「iDeCo (個人型確定拠出年金) に関する意識」と分かれており、それぞれ紹介していく。

【若者の資産運用に関する意識】

■資産運用について

資産運用でお金を増やしたいと思う若者は53.9%と半数以上。性年代別に見ると、「増やしたい」と思う人の割合が最も高いのは、30代男性の60.8%であった。

※KDDI株式会社調べ

資産運用は難しいと思う人は、78.6%で約8割にのぼった。

※KDDI株式会社調べ

本設問を男女別に見ると、男性では73.2%、女性では84.0%と、女性の苦手意識の高さがうかがえる結果であった。

■公的年金について

公的年金は国が運営・管理していても不安だという人は71.8%。男女別に見ると、「不安だ」という人の割合は、女性では76.4%と約8割となった。

※KDDI株式会社調べ

また、公的年金の積立金運用は不透明だと感じる人は82.3%で、男女別では男性が75.2%、女性は89.4%と、不透明だと感じる人は女性のほうが多かった。

※KDDI株式会社調べ

さらに、老後の生活について、公的年金のみでは生活できないと思う人は86.0%おり、男女別に見ると、女性が91.6%と9割を超えた。

※KDDI株式会社調べ

■ “投資テクニック”と“貯蓄テクニック”どちらを磨きたいか

※KDDI株式会社調べ

性年代別では、「投資テクニック」を磨きたいという人が20代男性（50.8%）で最も多く、半数以上。若手層の間での投資に対する関心が高まっているようだ。

【若者の投資に関する意識】

■投資経験について

※KDDI株式会社調べ

男女別に見ると、男性では34.4%、女性では15.4%。性年代別に見ると、投資経験がある人は30代男性に多く、4割以上となった。

■投資意欲が高まる要因について

※KDDI株式会社調べ

投資未経験者（751名）に、どのようなことが実現したら、投資を行ってみたいという気持ちが強くなると思うか尋ねたところ、1位「少額から投資できる（33.6%）」、2位「スマホで資産運用・資産管理ができる（32.5%）」、3位「手数料が無料（買付手数料など）（28.5%）」となった。

■活用したい資産運用方法について

※KDDI株式会社調べ

投資経験者（249名）に、資産運用でこれから活用したいものを尋ねたところ、1位「株式投資（57.0%）」、2位「定期預金・貯金（47.4%）」、3位「投資信託（44.6%）」となった。「個人型確定拠出年金（iDeCo）」を選んだ人の割合は17.3%となった。

【若者のiDeCoに関する意識】

2002年から開始されたiDeCo（個人型確定拠出年金）は、毎月一定の掛金を投資信託や定期預金などに積み立て、60歳以降に年金または一時金で受け取る私的年金制度である。

■iDeCoの認知率について

※KDDI株式会社調べ

iDeCoの認知率は51.9%、iDeCoを魅力的だと思う人の割合は46.7%。男女別に見ると、認知率は男性では57.6%、女性では46.2%となった。

■iDeCoの魅力について

iDeCoのいくつかの特徴について、それぞれ魅力的だと感じる人の割合を見ると、「運用益が非課税になること」は58.8%、「年間の掛金の全額が所得控除の対象になること」は57.5%だった。

また、「2017年1月から、企業年金のあるサラリーマンや公務員、専業主婦も加入が認められたこと」は56.7%、「月額5,000円から始められること」は56.6%、「証券会社や銀行、投資信託会社を通じて加入できること」は50.4%という結果となった。

「人生100年時代」と言われる超長寿社会が到来しつつある日本において、個人がゆとりある老後の生活を実現するためには、計画的な資産形成を早めに開始していく必要があると考えられている。近年はiDeCo (個人型確定拠出年金) など、長期的な資産形成に適した制度が拡充され、資産運用方法の選択の幅は広がっていると言える。