6割以上の国内出張者が「日帰り出張を避け、延泊したい」。日本人のワークライフバランス・国内出張に関する調査より
ホテルズドットコム(Hotels.com)は2018年9月、全国の20〜65歳の働く男女を対象に、「ワークライフバランスと国内出張に関する意識調査」を実施し、同年10月に結果を明らかにした。
■日本人の働き方の改善状況について
全体の39%が「改善されてきたと思う」と回答し、およそ半数弱の人が、日本人の働き方に改善の兆しが見えると考えていることが分かった。
また、64%の人が「会社または自身で実践している制度や取組みがある」と答えており、これには「有給休暇の消化の奨励」(33%)や「フレックスタイム」(26%)などが含まれる。しかし、まだ取組みが十分ではないと答えた人も61%いた。
■ワークライフバランスについて
「健康的なワークライフバランスを保っている」と答えた人は、国内出張者で25%、出張経験がない人ではわずか14%であった。本調査における「国内出張者」とは、「日本国内」での宿泊を伴う出張を直近1年間に3回以上している人を指す。ただし、女性の50~65歳のみ、直近1年間に1回以上出張している人を対象としている。
また、ワークライフバランス維持のため「実践していることがある」と答えたのは、国内出張者では74%、出張経験がない人では53%。国内出張者は、出張をしない人よりも、ワークライフバランスの維持に対して積極的であり、実際にそのための取組みを実践していることが分かった。
■国内の日帰り出張について
全体の70%が「日帰り出張に疲れを感じる」と回答。また、63%が「日帰り出張をできれば避けたい」と答えた。このことから、出張時に延泊し、個人の時間を楽しむことができれば、より生産的に仕事を行うことにつながる可能性が高いといえる。
また、会社が費用を負担してくれるなら、67%の人が「延泊をしたい」と考えており、たとえ自費であっても、57%の人が「延泊をしたい」と考えていることが分かった。差が10%しかないということは、それだけビジネスパーソンが、休息とプライベートな時間の確保を重要視していることを示している。
■日帰り出張を延泊に変更した場合のメリット
日帰り出張を延泊に変更した場合のメリットは、「睡眠時間が確保され、体に無理がない」が48%と最多。次いで、「気分転換に観光ができる」(38%)であった。国内出張者の多くが、延泊を心身の休息につなげたいと考えているようだ。
これを未婚・既婚別でみると、未婚者では「気分転換に観光ができる」が53%で、既婚者の30%を大きく上回った。一方、「睡眠時間が確保され、体に無理がない」と回答した人は、未婚者では38%に対し、既婚者では54%。延泊のメリットについて、未婚者と既婚者では考え方に違いがあった。
■延泊したくなる理由
延泊したくなる理由について質問すると、「延泊分の宿泊代を会社が負担すること」(44%)が最も大きなインセンティブとなることが分かった。次いで、「帰りの交通費を勤め先の会社が支払うこと」(39%)、「宿泊や移動、グルメ、買い物などの旅行に関する割引」(35%)となった。
■出張から帰る際に最も楽しみなこと
国内出張者全体では「帰宅後のビール」(20%)が、出張から帰る際に最も楽しみなこととして挙げられた。
性別、未婚・既婚別で見ると、未婚者では「できるだけ早く家に帰ること」が24%(特に未婚男性では30%)であるのに対し、既婚者では14%。家庭での役割がより大きい既婚者にとって、出張はある種の息抜きとなっているのかもしれない。
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