※一般社団法人ストレスオフ・アライアンス調べ

まずは、働く既婚者の家事時間を男女別で比較している。家事を「ほとんどしない」男性は、平日で34.0％、休日は27.1％。家事時間が「60分未満」と合わせると、平日・休日ともに、家事時間が1時間以下の男性は約8割に上る。

一方、女性は、平日も休日も3割程度が「1時間以上2時間未満」を家事に費やしている。特に、休日の「3時間以上」では男女差が顕著に現れ、男性が2.4％なのに対し女性は16.8％と、女性に家事負担がかかっていることが分かる。

※一般社団法人ストレスオフ・アライアンス調べ

さらに「子どもの有無」分類した結果。男性には大きな差は見られなかったが、女性は子どもがいる場合、休日の「2時間以上」と「3時間以上」の割合が増加した。

また、パートナー意識の高さからか、「子どもあり」の男性より「子どもなし」男性のほうが、家事時間が長い傾向がみられた。加えて、「子どもなし」女性と比較して「いる」女性は家事時間が長くなるようだ。

家事と言ってもその幅は広く、洗濯前の洗剤の詰め替え、シャンプーの交換、掃除後の掃除機内のごみ捨てといった雑務もあれば、料理をする前には、事前に献立決めや買い物が欠かせない。次に、まとまった時間としては顕在化しにくい“見えない家事”について分析している。

※一般社団法人ストレスオフ・アライアンス調べ

※一般社団法人ストレスオフ・アライアンス調べ

“見えない家事”について男女別でみると、家の中の雑務を「ほとんどしない」男性は39.4％。また「料理のための準備」に関しても、「ほとんどしない」男性が49.3％という結果であった。多くの女性はこれら“見えない家事”に、毎日30分以上を費やしていると考えられ、特に料理関連が長い傾向がみられた。

さらにここへも、「子どもの有無」の要素を加えて分析すると、家の中の雑務、料理の準備時間ともに、「子どもあり」男性がもっとも短いことが分かった。それと反比例して 、“見えない家事”にもっとも長い時間を費やしているのは、「子どもあり」女性であることが分かる。

家事をどれほど負担しているかの実状がみえてきたところで、家事によるストレスに関して考察している。ストレスオフ・アライアンスでは、ストレス量が個人のキャパシティを超えて起こる心身の疲労状態を「ストレス性疲労」と定義しており、この「ストレス性疲労」と「家事時間」の関係性の分析結果を下表にまとめている。

※一般社団法人ストレスオフ・アライアンス調べ

平日・休日に関わらず、「ストレス性疲労あり」と答えた女性の家事時間は「2時間以上」であるケースが多い。

また、特に休日においては、「ストレス性疲労なし」の女性は、家事時間「1～2時間」33.5％をピークに、それ以上の長時間はぐっと減少しているようだ。

一方、休日の「ストレス性疲労あり」女性は、「1～2時間」以上のどの時間でも2～3割存在することが分かった。休日の過ごし方に家事ストレス軽減のカギがありそうだ。

今や共働きが当たり前になりつつある。しかし、未だに女性の負担が大きく、それがストレスの原因の一つとなっているようだ。家庭によって働き方も違えば、個々の得手不得手も異なる。そのような中で、協力体制を築くには、“見えない家事”を認識し、お互いできること、すべきことを明らかにするところから、家族に合ったかたちを探してみてはいかがだろうか。