テレワークの推進とともに、オフィスのあり方も大きく変わる
働き方改革が進み、柔軟かつ多様なワークスタイルの実現が求められる中、注目されているのがテレワークだ。働き手のニーズの高まりとともに、昨今は導入している企業も増えているようだが、実態はどうなのだろうか。ザイマックス不動産総合研究所が、ザイマックスグループの管理運営するオフィスビルに入居中のテナント企業や取引先企業3,267社を対象に行った、企業のオフィス利用の実態や働き方に関する調査が、「大都市圏オフィス需要調査2017 <需要動向編>」にまとめられている。この結果をもとに、テレワークの現状について見てみよう。 以下は同研究所による分析と見解の一部である。
テレワーク推進に関する企業の取り組みを調べるため、本社、支社・支店、営業所、分室などの常駐型オフィス以外に、従業員がテレワークをする場所として整備・用意しているものがあるかどうかを聞いたところ、7割の企業が「あてはまるものはない」と回答。残り3割は何かしらの取り組みをしていることがわかった。
テレワーク推進の取り組み(単一回答、n=1,073)
続いて、テレワークする場所の内容について聞いたところ、最も多かったのは「在宅勤務できる制度」(12.6%)で、次いで「他社オフィス拠点の利用」となった。ちなみに、「専門事業者等が提供するレンタルオフィス、シェアオフィス等の利用」(5.6%)は、2016年の調査結果と比べて各1~2ポイントアップし、在宅勤務制度以外のテレワークは合計で21.8%となった。昨今の働き方改革によって、働く場所の多様化が進んでいる様子が伺える。
テレワークする場所の内容(複数回答、n=1,073)
だが、こうしたテレワーク推進の取り組みには企業規模やオフィスの所在地による偏りもあるだろう。企業規模別にみると、「自社が所有・賃借するサテライトオフィス等」や「専門事業者等が提供するレンタルオフィス、シェアオフィス等の利用」は、大企業ほど導入率が高い。一方、在宅勤務制度に関しては100人未満の企業でも10.9%を示し、導入が進んでいる。つまり費用負担が大きいサテライトオフィスの整備等に比べると、ルール策定で対応できる在宅勤務は導入のハードルが低いということだ。さらに、オフィスの所在地別にみると、ほぼすべての取り組みに関して、主要3エリア(東京23区、大阪市、名古屋市)のうち、東京23区の導入率が最も高く、多様な働き方の取り組みに地域差があることがわかる。
業種別では、情報通信業はすべての取り組みにおいて比較的導入率が高い傾向にあり、特に在宅勤務制度は27.7%の企業が導入している。製造業は、外回りの営業担当者が多いことや、比較的資力の潤沢な大企業が多いことから、「レンタルオフィス、シェアオフィス等の利用」(8.9%)が全業種中で最多となった。前回の調査と比較すると、特にサービス業や製造業では、「自社が所有・賃借するサテライトオフィス等」や「専門事業者等が提供するレンタルオフィス、シェアオフィス等の利用」の導入率が伸びている。
テレワークの取り組みが拡大することで、従来のオフィススペースは縮小し、働く場所はあらゆるところに分散することになるだろう。加速する働き方改革とともに、オフィスのあり方も急速に変容しつつあるようだ。
(出典:「大都市圏オフィス需要調査2017 <需要動向編>」ザイマックス不動産総合研究所)
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