グローバルの報酬動向。2020年の昇給率は2019年とほぼ変わらず。インフレ率低下で実質賃金は上昇へ

コーン・フェリー・ジャパンは2019年12月13日、「世界の報酬動向調査」を発表した。この調査は米Korn Ferryが実施したもので、同社が保有する130カ国以上、2万5000社に勤める2000万人以上の報酬データベースからデータを抽出し、統計処理したもの。2020年の昇給予測率を提示し、前年同期に作成した2019年の予測値と比較した。加えて、英The Economist Newspaper Limitedが刊行している週刊新聞「The Economist」の調査部門である「The Economist Intelligence Unit」が発表した2020年のインフレ率予測とも比較している。


今回のKorrn Ferryによる調査では、2020年の世界の平均昇給率は4.9%の増加となっている。ただし、インフレ率予測の約2.8%を計算に入れると、実質賃金は2.1%の増加になると予測している。2019年は昇給率5.1%増、インフレ率3.8%、それを計算に入れた実質賃金が1.3%増だったことから、世界のほとんどの地域で実質賃金が2019年に比べて増加することになる。ただし、インフレ率が低く、主要数カ国で経済成長が失速するという予想も出している。


地域別に見ると、世界で最も大きく実質賃金が成長するのはアジア地域。昨年の2.6%から、3.1%(昇給率5.3%、インフレ率2.2%)まで上昇すると予想している。 シンガポールでは、2019年の3%から、3.6%まで上がる見込みだ。


日本でも実質賃金は2019年の0.1%から、0.6%に上昇するという。2019年10月から消費税が8%から10%に上がったが、軽減税率とキャッシュレスポイント還元事業の効果で、増税の昇給率への影響は、2014年4月に5%から8%に上がった時に比べると影響は少ないという。
一方、中国の実質賃金は下がる見込みだ。2018年は4.2%という高い値を記録したが、2019年は3.2%まで下がった。2020年はさらに下がり、2.9%となる見込み。


北米の実質賃金は1.1%と予想する。
米国の昇給率は2019年と変わらず3%となる見込みだが、インフレ率が低いため、実質賃金は2019年の0.6%から1.4%とわずかに上がるという。


ヨーロッパ各国の実質賃金も2019年比で上昇し、西ヨーロッパでは1.2%、東ヨーロッパでは2.6%となる見込み。
加えて、アフリカ、中東、ラテンアメリカ、太平洋地域でもインフレ率の低さから実質賃金が上昇するとみている。


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