東急建設の働き方改革推進施策。残業時間に頼らない働き方へ。

東急建設株式会社は2019年12月、時間外労働を削減した成果を従業員へ還元する「時間外労働削減報奨金」の支給開始を発表した。働き方改革の一環として実施されたもので、支給対象は全従業員の約4割を占めるキャリア職(総合・一般職)としている。これにより「残業を前提としない働き方」の定着を目指すという。

時間外労働削減にともなう収入減少をカバーし、残業に頼らない働き方へ

東急建設が支給を決めた「時間外労働削減報奨金」の対象者は、若手・中堅社員を中心としたキャリア職の従業員だ。これまで、時間外労働削減を目指した取り組みを進めるうえで課題となっていた若手社員らの「収入減」。削減成果に応じて「報奨金」という形で賃金を支給することで、減額分を補うことを目的のひとつとしている。「残業をせず、既定の労働時間内で成果を上げる」という働き方の意識づけをより強化することで、更なる業務効率化をはかるようだ。


実際に支給される金額は、働き方改革関連法が施行される以前の2017年度を基準とし、2018年度の削減時間から算出された時間外労働相当額をもとに決定された。「1人当たり時間外労働・休日出勤時間数」の年平均を職種別に見ると、総合技術職が52時間、総合事務職は5時間の削減が確認されたという。


同社では2018年7月より「フレックスタイム制」や「テレワーク勤務」、「勤務間インターバルの設定」など、さまざまな働き方改革施策を導入し、人事制度の整備に取り組んできた。さらに同年11月からは、組織の状態を可視化して改善活動につなげる目的で「従業員エンゲージメントサーベイ」を年に2回実施した。働きやすい環境づくりに励むと同時に、従業員が「働きがい」をより一層感じられる職場構築を目指しているようだ。


働き方改革によって労働時間の是正が進められ、企業が「残業時間の削減」に取り組む一方で、減少する収入に生活面の不安を感じる従業員が存在することも事実だろう。今回の「時間外労働削減報奨金」の支給は、そういった従業員の不安解消にもつながる。「残業せずに働く」という意識が高まり、企業に根付いていくことを期待したい。

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