コネヒト株式会社は2018年8月、妊娠中または子供が1人以上いる母親（本記事では、発表に合わせてママと表記）を対象に「働くことについての調査」を実施、結果を公表した。（調査人数：5,022名）

『今後、働きたいという気持ちはありますか？』との問いに約9割のママが「今後も働きたい」（89.3％）と回答。以降、「どちらかといえばそう思う」が29.6％、「どちらかといえばそう思わない」は8.0%、「そう思わない」が2.7％であった。回答者のうち、現在仕事をしていない人は全体の33.4%おり、その人たちに限って見ても、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせて86.0%という結果であった。現在の就労状況に関わらず、ママたちが働きたいという意欲には、ほとんど差がないことが分かった。

現在働いていると答えたママに『現在の職場、業務内容、待遇などに疑問や気になる点はありますか？』と質問したところ、「ある」（38.7%）と「どちらかといえばある」（26.8％）を合わせて、65.5％が疑問や気になる点があると判明した。なお、「どちらかといえばない」は19.2％、「ない」が15.3％であった。

この、現在の職場などに対する「疑問や気になる点」を複数回答で聞いたところ、上位5項目は以下の通りであった。

1位：昇進や昇給を期待しにくい（50.2％）
2位：妊娠や育児に対して上司や同僚の理解が薄い（27.5％）
3位：働くママが周囲にいない・少ない（26.0％）
4位：女性の働き方を支える会社独自の制度はあるが、取りにくい（23.9％）
5位：産休・育休・有給などが取りにくい（21.5％）

上位にあがった2位、4位、5位に関しては、いずれも職場の「雰囲気」に関することである。これらの項目いずれかを一つ以上回答した割合は50.2%。つまり、半数以上が職場の「雰囲気」に課題を感じていることが伺える。

現在仕事をしている人に対して、『産休・育休を取得されたことはありますか？』と尋ねたところ、結果は以下の通り。

・全体…＜はい77.1%＞＜いいえ22.9％＞
・正規の職員・正社員（時短勤務を含む）…＜はい87.3%＞＜いいえ12.7％＞
・パート・アルバイト…＜はい52.1%＞＜いいえ47.9％＞

全体では77.1％が産休・育休を取得したと回答するも、雇用形態別に見ると、「正規の職員・正社員」と「パート・アルバイト」では35.2ポイントもの差があった。

パート・アルバイトでも原則、条件を満たせば産休や育休を取得することができるが、実態としては「取得しにくい」ことがこの差から推測される。

また、現在仕事に就いていない人に、産休・育休の取得経験を尋ねると、10.5％に留まり、62.0％が妊娠期間中に退職していることが分かった。

なお、働いていた当時の雇用形態は46.0％が「正規の職員・正社員」。産休・育休を取得すれば仕事を続けられたはずだが、労働意欲が高いにも関わらず、妊娠・出産を機に職場を離れざるを得なかったことが伺える。

先輩ママとして『後輩ママや子供たちのために、社会を少しでもよくするためのアクションをしたいと思いますか？』と質問した結果が、以下だ。

・そう思う…53.0%
・どちらかといえばそう思う…41.6%
・どちらかといえばそう思わない…4.1%
・そう思わない…1.3%

「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせると94.6%。ママたちの実に95％近くが「社会をよくするために行動したい」と回答した。

併せて今回の調査では、ママの就労を支援する制度や仕組みである「サテライトオフィス」、「自治体の就職相談」、「テレワーク」、「民間企業の就職相談」については、「内容がよくわからないから」という理由で半数以上の回答者が利用していないことが分かり、仕組みや制度の認知度に課題があることが明らかになった。

また、「職業訓練（ハロートレーニング）」については、約半数となる48.1％が「必要性を感じないから」と回答。比較的認知度がある仕組みや制度においても、必要性が感じられない場合は利用率が伸び悩むことが分かった。さらに、「ベビーシッター」、「家事代行」は、「お金がかかりそうだから」という費用面の不安から利用していない様子が伺えた。今後はこうしたリアルな声を起点とした、ママが一歩を踏み出しやすい社会の実現が望まれる。