若い世代ほど「長期の育児休業を取得し、子育てが落ち着いてからの職場復帰」を望む傾向

近年、女性活躍や男性の育児参加といったさまざまな観点から、各企業で育児休暇取得推進に関する取り組みが広がっている。東京都が2018年9月に行った「平成30年度東京都男女雇用平等参画状況調査結果」を元に、職場における男女平等の推進に関する実情と課題について考察していく。


まず、働く男女が育児休暇を取得した場合、その後どのような職場復帰をイメージしているのだろうか。


本調査において、「自分自身の育児休業取得とその後の働き方」について意向を尋ねると、男女とも「長期の育児休業を取得し、子育てが落ち着いてから職場復帰する」が最も多く、男性48.7%、女性54.3%。

次いで、「できる限り育児休業期間を短くして早めに職場復帰し、短時間勤務等、両立支援制度を使いながら働く」が男性30.3%、女性27.8%となっている。




また、年代別に見ると、若い世代ほど「長期の育児休業を取得し、子育てが落ち着いてから職場復帰する」の割合が高く、20代では男性60.7%、女性70.5%と特に高くなっている。




平成29年度1月から改定・施行されている「子どもの看護休暇制度」も、子どものいる人にとっては大変心強い制度だが、この制度の認知度はいかほどだろうか。

子どもの看護休暇制度が法定されていることを知っているかを尋ねたところ、「知らない」が 50.9%と半数を超えており、「知っていた」(48.7%)を上回っている。




この「子どもの看護休暇」は、年間どのくらいの期間取得できることが望ましいと考えているのだろう。


回答結果を見ると、男女とも「6〜10日」(男性36.8%、女性44.7%)が最も割合が高く、これに「11日以上」(男性27.4%、女性29.4%)、「5日」(男性25.2%、女性20.2%)の順で続いている。男女とも法律で定められた年「5日」以上の期間の取得を希望する回答が多い。



少子高齢化・人口減少が進行する下で労働力を確保するためには、個々人の働く意欲に応え、その能力を十分に発揮させなければならない。そのためには、出産後に長期の育児休業を取得することはもちろん、職場復帰しやすい環境の整備が必要と言える。


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