日本全国の働く母の実態――8割以上のワーキングマザーが心身の不調を抱える傾向

株式会社ウェルネスライフサポート研究所は2019年10月、「働く母1000人実態調査~健康×子育て×働き方~」をテーマに行ったアンケート調査の結果を発表した。株式会社マクロミルに登録する末子年齢が0~12歳の子を持ち、育休後職場復帰した有職女性を対象に行われた。今回の調査によって、心身の不調や様々な悩みを抱えながら働くワーキングマザーの現状が明らかになった。

仕事をする上で心身の不調を感じている母は8割以上

女性活躍推進法の施行により、女性が仕事で活躍することを企業が推進するよう義務づけられ、妊娠や育休取得後にも働き続ける女性は増加している。今回、働く女性に対し、妊娠中・育休復帰後・現在のそれぞれの段階で「仕事を続けるにあたり、心身の不調を感じている(いた)か」という質問をすると、妊娠中が93.3%、育休復帰後は86.4%、現在でも82.2%の人が何らかの不調を抱えていると回答した。妊娠や出産を経験し、子育てをしながら仕事を続ける女性は、日常的に心身の不調を感じながら働いていることが分かる。




「罪悪感」「不安感」を抱え働く母は6割以上、「つらさ」を感じる母は7割以上

次に、働く母が抱きがちなマイナス感情について調査を行った。「仕事と育児を両立する中で、職場や家族に対して何らかの罪悪感を抱えているか」と質問したところ、罪悪感を抱えている人の割合は63.4%、不安を感じている人は65.7%、現状につらさを感じている人は73.1%という結果となり、多くの働く母は、肉体的な疲労のみならず、精神的に何らかの問題を抱えていることが明らかになった。子どもの体調不良により早退などが余儀なくされることや、時間的な制限の中でしか働けない状況にいることが背景にあると考えられる。




7割以上の母が「仕事を辞めたい、または働き方を変えたい」と回答

「出産後に仕事をやめたい、または働き方を変えたいと思ったことがあるか」という、仕事の継続意向に関する質問に対しては、70.4%の人が「思ったことがある、または現状思っている」と回答した。理由の一つとして、ライフワークバランスが崩れ、現状の働き方を継続することが難しいと考えていることが推測できる。




パートナーの働き方に不満を感じる母ほど、精神的不調を感じる傾向

続いて、夫やパートナーの働き方に対する満足度と働く母が感じる不調との関連について調査を行った。夫やパートナーの職場環境・勤務形態に不満を感じる人ほど、自分が仕事をする上で「罪悪感」「劣等感」「不安」「つらさ」というネガティブ感情を抱きやすい傾向にあり、この二つが相関関係にあることが分かった。このことからも、企業は女性社員だけでなく、男性社員に対しても共働きしやすい環境や風土を整えることが必要だと言えるだろう。




妊娠中から子育て期間を通して働く女性が増加している中、就業を続けながら安心して妊娠・出産、そして子育てができる環境づくりを行うことは、今後の日本において重要課題である。企業も、女性のライフステージの変化に対応する姿勢を持ち、健康面やメンタル面での柔軟なサポートを行うことが求められる。


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