定年後の就業に関する意識調査。「定年後も同じ会社・正社員を希望」が約5割

ディップ株式会社が運営するディップ総合研究所は、2019年9月、現在正社員で就業している55~59歳の男女205人(正社員)を対象に「定年後の就業に関する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2019年4月12日~15日。調査の結果から、従業員と企業では定年後に望む雇用形態に相違があることが判明した。

定年後も働きたい人は75.2%、半数以上の人が「所得が大幅に下がること」に不安

企業の人材不足が深刻化している状況の中で、問題解消するためには、シニア層の定着と活躍は重要な課題となっている。今回の調査では「あなたは何歳まで働きたいですか?」という問いに対し、60歳以降も「働きたい」と希望した人は75.2%、「働きたくない」と答えた人は24.9%という結果となり、60歳以降も就業を希望している人が圧倒的に多いことがわかった。


また「定年後の働き方の希望」として、47%が定年後も同じ会社で正社員のまま働きたいと回答した。




一方で、一律定年制を定めている企業のうち、勤務延長制度を導入している企業はまだわずか20.8%。従業員の望む雇用形態と、企業が定める雇用形態にはギャップがあることがわかる。


同調査ではまた、「60歳以降の働き方について不安に思うことは何か」という質問もしている。最も多かった回答は「所得が大幅に下がること」(58%)、次に「体力が持つか」(45%)、「希望する条件で働けるか」(29%)となった。


また、同じ会社で働き続けることを希望している人の中では「このまま今の職場で働けるか」という不安を32.3%の方たちが抱えていることがわかった。




シニア層の採用や定着を考える際には、定年後の不安を取り除く企業側の施策が望まれる。勤務延長制度や定年引きあげ制度の拡充、話し合いによる不安の軽減など、シニア社員がこれまで以上に活躍できる環境をつくることが必要だ。経験豊富なシニア層により長く働いてもらうためにも、採用に関する企業の積極的な姿勢を見せることが鍵となるだろう。


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