世界中の成功者が導入する「マインドフルネス」の第一人者・人見ルミ氏インタビュー 心を整え最高のパフォーマンスを引き出す「マインドフルネス」に迫る


現代の日本人は、知らない間にストレスを溜め込んでしまっている。集中できなかったり、思わずカッとなってしまったり、失敗を引きずってしまったりして、仕事のパフォーマンスが思うように上がらないということもあるのではないだろうか。最近、ストレスを軽減し集中力を高める方法として「マインドフルネス」という言葉をよく聞く。シリコンバレーのIT企業や一流アスリート、世界を代表する経営者など、多くのハイパフォーマーが取り入れている。科学的にもその有効性が証明されている「マインドフルネス」とは何か。マインドフルネス講師として企業や経営者などに研修を行う人見ルミ氏に聞いた。


株式会社サンカラ 代表取締役
マインドフルネストップ講師
人見 ルミ 氏
ニュースレポーター、お天気予報キャスターを経て報道ディレクターに転身。数多くのTV番組を手がけるも、心身ともに疲弊し、28歳で単身インドへ渡航。師匠のもと、ヨガ・瞑想などマインドフルネスのエッセンスを学ぶ。帰国後、 医療関連企業を経て(株)船井メディアの情報発信誌『Just』の編集長に就任。取材を通じて出会った約800名の一流の著名人や経営者の仕事ぶりや人生の成功エッセンスに触れ、事業を成功に導き、常務取締役に就任。 その後、マインドフルネス研修事業を中心とする(株)サンカラを設立。現在、大手上場企業から中小企業に至るまでマインドフルネス研修を行う一方で、経営者や芸能人、著名人などの個人レッスンも行っている。

注意深く気付き、心穏やかでありながら、最高のパフォーマンスを発揮

――「マインドフルネス」は、日本ではまだまだ馴染みが薄い印象です。そこで今回は、人見さんに「マインドフルネス」とは何か、お話を伺っていきたいと思っています。


人見ルミ氏(以下 人見) 現代社会において、人は仕事や人間関係など様々なストレスにさらされています。日本ではうつ病などにより休職している方が急増し、若い世代の過労自殺や休職には至らずとも、メンタルの問題で思うように社会で力を発揮できない方を含めると、約8兆円もの経済的損失が出ているという調査結果があります(慶応大学の調査による)。これは国家予算の約10%に相当します。そこで昨今、「働き方改革」や「健康経営」に取り組む企業が増えてきています。こうした背景から、注目を集めているのがマインドフルネスです。
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――そもそも、「マインドフルネス」とはどういうものなのでしょうか?


人見 マインドフルネスは、マサチューセッツ大学医学大学院教授のジョン・カバット・ジン博士が2000年頃に提唱しました。「マインドフル」という言葉には、注意深いという意味があります。そして、「注意深く、今ここに判断することなく気付いていること」が、「マインドフルネス」です。何に気付くかというと、日々移ろい変わる心の状態や、ポジティブ・ネガティブ両方の感情、そして呼吸の速度や深さ、そして身体の様子など、日頃無意識に行われていることです。

定義としては、(1)注意深く気付き(2)心が穏やか(3)今ここに集中している状態。この3つが揃って初めてマインドフルネスの状態であり、最高のパフォーマンスを発揮できると言われています。

私がマインドフルネスを通じて伝えたいのは、人間関係が複雑になっている現代社会の中で、瞑想や思考法を仕事の現場で活かし、いつでもどこでもパフォーマンスを上げられるようにすることです。私自身が企業で働く中で、自分の心と体をメンテナンスしながら結果を出してきた方法を、知っていただきたいと考えています。

学術的にも有効性が証明されているマインドフルネス

――マインドフルネスは、世界を代表する企業や経営者、トップアスリートに広がっているのですよね。


人見 その通りです。マインドフルネスのメリットは5つ。(1)ストレス軽減、(2)集中力アップ(3)生産性の向上、(4)リーダーシップ向上、(5)人間関係良好と、良いこと尽くしです。

実際に、GoogleやFacebook、Twitterといったシリコンバレーを代表する企業が取り入れています。また、スティーブ・ジョブズ、テニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチ、メジャーリーガーのイチローといった成功者も実践したと言われています。

ご存知の通りGoogleは、天才集団です。しかしそれゆえに、人間関係は滅茶苦茶だったり、すぐにカッとなったりする人も多かったそうです。彼らが目指すハイパフォーマーとなるためにも、マインドフルネスによりストレスを取り除き、コミュニケーションを図っていったところ、人間関係や生産性が向上したため、多くの方に広まって行ったのです。


――まさに現代社会においてハイパフォーマンスを上げるために有効な方法として、実践されているのですね。


人見 科学的にも有効性が証明されています。「テロメア」という言葉を聞いたことがありますか? これは、染色体の末端に存在している構造体です。ノーベル賞を受賞した、米カリフォルニア大学の分子生物学者、エリザベス・H・ブラックバーン博士と、健康心理学者のエリッサ・エペル博士の研究によれば、テロメアは生物の老化や寿命に深く関わっており、加齢とともにテロメアの長さは短くなっていくそうです。しかしながら、マインドフルネスを行うと、テロメアの長さを維持できるということが研究により判ったそうです。マインドフルネスは、私たちの健康寿命にも良い影響がある。これは画期的な発見です。

日本では、うつ病や慢性的な痛みなどがマインドフルネスで軽減できると言われています。これは、マインドフルネスにより副交感神経が優位になり、イライラやストレスを低減できるからです。また、脳科学的にも効果が証明されています。


――脳科学的な実験結果も出ているのですね。ぜひ聞かせていただきたいです。

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プロフィールPROFILE

株式会社サンカラ 代表取締役 人見ルミ(ひとみ るみ)

TBSニュースレポーター、テレビ東京お天気予報キャスターを経て報道ディレクターに転身。「中村敦夫の19時発」など担当。 数々のTV番組を手がけるも、20代後半で心身ともに疲弊し29歳で単身インドへ渡航。インドの師匠のもと、1年半本場のヨガ・瞑想といった、マインドフルネスのエッセンスを学び、ストレスから解放された考え方や感情のコントロールの方法を身につけ、生き方の価値観がガラリと変わる。 帰国後、医療系企業に入社。敏腕広報ウーマンとして頭角をあらわし、情報配信企業にスカウトされ、(株)船井メディアの会員誌の編集長に就任。取材を通じて出会った約800名を超える一流の著名人や経営者の仕事ぶりや人生の成功エッセンスに触れ、事業を成功に導き、常務取締役に就任。 2014年マインドフルネスでイキイキと生きる方法を伝えるため(株)サンカラを設立し代表取締役に就任する。 現在、大手上場企業から中小企業(IT企業、人材育成企業、コンサルテイング企業)などからのオファーが増え、マインドフルネス企業研修の実績ではトップクラス。社員のストレス軽減やパフォーマンスを高め、対人関係の改善や組織の生産性向上に貢献している。 CBTストレスカウンセラー(認知行動療法)資格取得。著書に「潜在能力を120%引き出すマインドフルネスストレッチ」(KADOKAWA)「心を整えるマインドフルネスCDブック」が3万部を超えベストセラー入り。「マインドフルネス思考」(いずれもあさ出版)、「一瞬で運がよくなる幸せ法則」(徳間書店)他多数

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