収入だけでなく、生きがいや健康維持のためにも――。 働くシニアのモチベーションを調査

労働力不足が懸念される中、シニアの力が大いに期待されているが、果たして60歳以上の人たちの仕事に対する意識とはどのようなものなのだろうか。株式会社大和ネクスト銀行が60〜79歳の男女1,000名を対象に実施した仕事に対する意識調査、「働くシニアの仕事と生活に関する実態調査2017」をもとに、その実態を探ってみよう。

はじめに、現在働いている理由について聞いたところ、「日々の生活費のため」が56.4%と最も多く、次いで「社会や人との接点のため」(45.6%)、「健康維持のため」(44.1%)、「今後の生活費のため」(43.8%)、「生活にハリがほしいため」(35.0%)と続いた。この結果から、収入だけでなく、生きがいや健康を目的に仕事をしている人が多いことが伺える。

60代男女、70代男女と性年代別にみると、70代男性では「健康維持のため」が64.1%と最も多く、70代女性では「生活にハリがほしいため」(51.9%)、「仕事が好きなため」(46.2%)、「自分を成長させるため」(21.7%)が他の性年代層と比べて突出して多かった。この結果から、特にシニア女性は、向上心を持ってイキイキと働く人が多いことがわかる。

次に、現在の勤務先を選ぶ際、どのようなことを期待していたか聞いたところ、「希望する勤務時間で働ける」(43.0%)が最多で、「勤務先が自宅から近い」(42.1%)、「自分のスキル・経験が活かせる」(42.0%)が続いた。ちなみに「賃金が高い」は17.0%で9位にとどまっており、高賃金を期待して働くシニアはそれほど多くないようである。

さらに全回答者に就業意識を聞いている。現在の仕事に満足している人は3人に2人(65.6%)、「転職」を希望している人は8人に1人(12.3%)の割合だった。また、新しい仕事の知識を得たいと考えている人は41.3%にのぼり、まだまだ新しい分野にも前向きに挑戦したいと思っている成長志向の強いシニアも多いようだ。こうした前向きな姿勢は、仕事の満足度にも大きな影響を与えており、新たな知識を得たいと思っている人の仕事満足度は75.8%と、全体に比べて高くなっている。

「元気なうちは働き続けたい」と希望するシニアは86.6%を占め、就業継続志向の高い人が大多数であることがわかった。さらに起業志向については、8人に1人(12.3%)が「チャンスがあれば自分で起業したい」と回答している。また、転職希望のシニアでも、35.0%の人が起業したいと考えていることがわかった。つまり、転職を考えているシニアの3人に1人以上が、別の会社に就職するのではなく、自分で事業を行いたいと考えているのだ。今度、生涯現役志向のシニアがますます増えていく中で、成功を夢見るシニア起業家の活躍にも注目が集まるだろう。

(出典:株式会社大和ネクスト銀行「働くシニアの仕事と生活に関する実態調査2017」2017年11月)

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