感謝される頻度と従業員エンゲージメントの関係とは?「感謝と仕事に関する調査」
エンゲージメントが高い人ほど感謝やお礼を言われる頻度も高い
近年の深刻な人材不足を背景に、従業員の満足度を重要視する傾向があらわれ、「エンゲージメント」という概念が注目されている。国内外の様々な調査でも、エンゲージメントの高さと業務におけるパフォーマンスの良さには相関があるとされている。実際のところを知るため、従業員エンゲージメントと職場で感謝の言葉をかけられる頻度との関係を探った。
はじめに、「職場で感謝やお礼を言われる頻度」について質問した。職場に対する愛着や信頼度合いを数値化する指標を参考に、まずは回答者を従業員エンゲージメントの高さ別に、「高」・「中」・「低」の3段階に分けた。それぞれの回答率を見ると、「感謝を言われる頻度が高い」という回答は、エンゲージメント「高」のグループに入っている人が最も多く、82.4%だった。この回答率は「低」のグループと比較すると32.3ポイントも高く、大きく差が開く結果となった。従業員エンゲージメントが高い人ほど、職場で感謝やお礼を言われる頻度も高いことが見て取れる。
※Unipos株式会社調べ
「感謝や賞賛がモチベーションにつながる」のは、若手社員に多い傾向
次に、一般職と役職者それぞれに「感謝や賞賛を受けることが自分の仕事へのモチベーションにつながるか」を尋ねた。ちなみに、本調査の対象者2,096人のうち、20~30代の一般職は1,672人、40代以上の役職者は424人である。モチベーションにつながると回答したのは、一般職では67.2%、役職者では54%。その差は13.2ポイントとなり、年齢が若い人ほど感謝や賞賛が自身のモチベーションにつながると考えていることがわかる。
※Unipos株式会社調べ
若者がモチベーションアップの糧とする感謝を、上司は頻繁に伝えられていない
今度は、自分から「感謝やお礼を言う頻度」について質問した。すると、頻度が高いと回答したのは、一般職で71.9%。一方、役職者は60.8%となり、その差は11.1ポイントだった。役職者は、若手ほど頻繁には感謝の気持ちを伝えられていないようだ。ふたつ目の質問で、若手社員にとってモチベーションアップにつながると判明した「感謝や賞賛」が、上司からは十分に伝えられていない実情が明確にあらわれた結果となった。
※Unipos株式会社調べ
後方支援に携わるバックオフィスに「感謝を伝えられている」は4割程度に留まる
また、企業の中でも後方支援に携わる総務・人事や、システムエンジニアやデザイナーといった営業数値を追わない部門・部署である「バックオフィス」に所属する方に対して「感謝の気持ちを伝えられているか」を質問した。すると、「伝えられている」と回答したのは、一般職・役職者を合わせて41.5%に留まる結果となった。バックオフィスが企業の中で担う貢献度は、他の部署に比べると見えづらい実態があるようだ。
※Unipos株式会社調べ
「働き方改革」で生産性向上に向けた取り組みがなされる一方、従業員同士のコミュニケーションが希薄になっているようだ。上司から感謝を伝えることで、部下たちのモチベーションアップにつながると期待できるという結果から考えても、社内コミュニケーションを増加させることが従業員エンゲージメント向上、ひいては生産性向上にも有効といえそうだ。
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