新型コロナウイルス対策として導入検討の必要あり。「在宅勤務制度」導入に関する実態とは
「在宅勤務制度」を導入する企業は約2割にとどまる
最初に、「勤務先に在宅勤務制度があるか」と質問したところ、「ある」と回答したのは23.3%であったのに対し、「ない」と回答した人は72.9%と7割を超える結果となった。また、「過去にあった」との回答も0.4%あることから、過去に導入したものの制度を廃止した企業もあるようだ。「働き方改革」が浸透しつつある中、実際には在宅勤務制度を導入していない企業が多いことがわかる。
「在宅勤務制度」導入で「モチベーションアップ」や「チームワーク改善」に効果あり
また、在宅勤務制度を導入した会社の経営者および役員に対して「在宅勤務制度導入後に会社の状況に変化はあったか」を尋ねると、「悪くなった」と回答した人はおらず、「良くなった」が37%、「どちらとも言えない」が63%という結果だった。
「良くなった」と回答した人からは、「無理に出勤する必要性がなくなったことで社員のモチベーションが向上した」や、「協力し合う意識が芽生え、チームワークがよくなった」といった意見があがった。「悪くなった」と感じる人がいないことからも、導入することでなんらかのメリットを感じる企業が多いことがうかがえる。
約9割が「在宅勤務制度」が導入されたら利用したい
次に、勤務先に在宅勤務制度がない、または、あるかわからない人に対し、「在宅勤務制度が導入されたら利用したいか」と質問したところ、「積極的に利用したい」と回答した人は43.1%、「時々利用したい」が46.4%となり、約9割の人が利用の意向を示す結果となった。具体的に利用したい機会を訪ねると、「体調的に通勤が困難なとき」や「親の介護が必要なとき」、「感染症の流行期間や、オリンピックなどのイベント期間」などの声があがった。
約6割が、在宅勤務制度があっても利用していない実情
また、勤務先に「在宅勤務制度がある」と回答した人に対して、「実際に、在宅勤務制度を利用しているか」を尋ねた。すると、「常に利用している」と回答した人が10.8%、「時々利用している」が31.4%であったのに対し、「利用したことがない」が57.7%で最多となった。在宅勤務制度があっても利用するには後ろめたさがあるといった利用時のハードルの高さが要因となり、制度が形骸化してしまっていることが推測できる。
会社からの在宅勤務指示は「自然災害発生時」が最多
続いて、「今までに会社から在宅勤務の指示が出た経験があるか」と質問したところ、30.1%の人が「ある」と回答。一方、「ない」は69.9%という結果だった。
「ある」と回答した人に指示を受けた時の状況を尋ねると、台風や震災などの「自然災害」発生時が最も多く、通勤手段に混乱が生じたときに在宅勤務を対応策とした企業があるようだ。そのほかに、「インフルエンザの流行や新型コロナウイルスなどの感染症対策として」、また「オリンピックを見据えた事前準備のために」という声もあった。
「働き方改革」への取り組みのひとつとして注目が集まっている在宅勤務。しかし、制度として導入している企業はまだ一部にとどまっていることがわかった。新型コロナウイルスといった流行の予測が困難な感染症対策としても、本格的に導入を検討している企業も少なくはないだろう。すでに導入済みの企業においては、制度の存在を社員に周知することや、制度の常態化に努めることが必要となりそうだ。
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